障子紙を買いにホームセンターに行ってはみるものの、貼りたいと思える紙が無い。
島根で暮らしていると、手漉き和紙の文化を身近に感じることができます。
紙漉き体験もしたことがあるし、手紙には手漉き和紙の便箋や封筒を使っているのに、肝心な建築の、一番身近な障子貼りに手漉き和紙を使うということを今まできちんと検討したことがなかったのです。
ということでまずは手漉き和紙についての調査から始まったのだけど、これが奥が深かった。
島根には手漉き和紙の工房が何件くらいあるのか?
工房によって作る紙にどんな違いがあるのか?
文化財ではない一般家庭用の障子紙はあるのか?
インターネットの情報を元に、東から西へ、いくつかの工房に電話し、障子紙のサンプルをお願いする。そうするうちに分かってきたのが、どの工房も共通して障子紙としては2尺×3尺の寸法の楮で漉いた紙を基本にしていて、価格帯もほぼ同じであるということ。その上で、厚みや晒し・未晒しの選択肢があったり、模様や色物を選ぶこともできるということ。
各工房から郵送でサンプルが続々と届き、数件直接受け取りに伺って.美南でそれらを見比べたり窓辺でじっくり眺めたりしています。眺めながら、この工房は選びやすくて検討しやすいなとか、この工房は細かい調整に対応してくれそうだなといった想像をしています。中には、和紙の違いが分かる男某家具職人さんの御眼鏡に叶ったものもあったようで、時間を掛けて調査をした甲斐がありました。私も違いが分かるようになりたいので、引き続き粘って和紙と対話したいと思います。
何も分からない私の問い合わせに、電話で詳しい解説をして下さった方、丁寧なお手紙と共に貴重なサンプル帳を送って下さった方、実物の製品を惜しげもなく送って下さった方もあり、恐縮しております。
手漉き和紙が、私たちの暮らしの中に少しでも取り入れられたらきっと心豊かだろう。そう信じて、我が家は建築の分野で微力ながら模索していこうと思います。