〇屋号/name
新屋敷、有松軒、旧玉木邸
〇歴史/history
築年数については未調査ですが、残っていた荷物から明治13年の外観写真が見つかりました。今から約20年前までは住まいとして使われており、その後は週末住宅としてご家族が管理されていました。
1880年(明治13年) 外観写真あり
1924年(大正13年) 家族写真あり、中心に座っているのは8代目玉木廣業さん
1998年(平成10年) この頃から、週末住宅となる
2018年(平成30年) 借家としてstudio.美南が関わり始める
〇地域/place
美南という地域は、北山と南山、斐伊川と宍道湖に囲まれたのびやかな簸川平野のほぼ中心に位置します。
簸川平野は歴史的景観として「反り棟」をした屋根と屋敷の北西を囲んだ「築地松」をもつ民家が点在する散居風景を特徴としてきました。バーナード・ルドフスキー著「建築家なしの建築」にも登場する美しい景観です。
近年、国道沿いを中心に宅地造成が進んできてはいるものの、田んぼや畑の農地が占める面積は広大で、空が広く緑の豊かな環境にあります。
〇建築/architecture
代表的な出雲地方の農家の屋敷構えです。赤瓦の母屋、西座敷、蔵、倉庫棟、トイレ棟があり、それぞれ築年数は不明。また、南西の庭園に入る中門が現存しています。かつては東の倉庫棟と座敷門もあったようですが、現在は基礎石が一部残るのみです。
母屋は入母屋屋根の赤瓦葺き。戸口には大戸と大障子が建ち、これをくぐるとウスニワと呼ばれる土間になります。表座敷は8畳6畳8畳、中に仏間と6畳、北側に7畳6畳6畳の和室が並びます。昭和から平成の時代には土間部分に床を増築してLDKと水廻りのリフォーム工事が施され、南東部分には土間に面して小さな洋室が2室配置されます。
屋敷林は築地松ではなく、それ以前の古い型であるタブノキ・シイノキ・ツバキ等の雑木林です。ウメやカキ等の果樹が多く植えられていて、季節毎に様々な収穫物があります
〇四季/event
1月 ツバキの花
2月 ウメの花、フキノトウの収穫、スイセンの花
3月 天神さま飾り、レンギョウ・ユキヤナギ・スモモ・サクラの花
4月 フキの収穫、オオデマリ・ハナミズキ・ツツジ・ボタン・シャガの花
5月 フキ・ミツバ・サンショの収穫
6月 梅仕事、アジサイの花
7月 ビワの収穫
8月 -
9月 ハギ、ヒガンバナ、アイの花
10月 カキの収穫、センリョウの実
11月 干し柿づくり、ユズの収穫
12月 サザンカ、クチナシの蕾